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自作シナリオを公開しています。

【AR2E】骸骨踊る墓地【CL1】

・目次

 概要

・このシナリオはアリアンロッド2E用のシナリオです。プレイ時間はオンラインセッションで2時間ほどを想定しています。

・戦闘をメインで楽しみたい人向け、難易度やや高めのシナリオです。初心者PLが多いなど、難易度を下げる場合は、後述する通りに調整してください。

GMは基本ルールブック改訂版1巻/2巻(R1/R2)、両方を所持していることが望ましいですが、1巻(R1)だけでもエネミーを差し替えれば問題なくプレイできます。

・PCはサンプルキャラクターもしくは作成直後のCL1、3~5人を推奨しています。人数に合わせて敵の数やHPなどを調整してください。メインクラスが4種揃っている事が望ましいです。足りない場合はサポートクラスも活用して揃える事をお勧めします。

・舞台となる街/エネミーの数や種類/台詞/判定の難易度 などは卓環境に併せて自由に改変してくださって構いません。改変した際の報告も不要です。

・ヒントはGMから積極的に出し過ぎるくらいでちょうど良いです。特にPCが初心者の場合、GM側がアクションを提案するなどしてもいいかと思います。

ストーリー

グランフェルデン街外れの墓地にアンデッドが出没して困っているそうだ。
その墓地の場所や、アンデッドの種類を訊いたりして酒場で情報を集め、準備ができ次第墓地に出発することになる。
墓地にたどり着いたPCたちが、斥候として墓地内をうろついているスケルトンを撃破し、その後現れるアンデッドを操っていた黒幕であるインプを撃破すれば依頼達成である。
黒幕のインプは新米冒険者であるPCたちに対してかなり強気に出る。弱い者をいたぶるのが好きな卑怯な性格であることをGMは描写すること。

 

オープニングフェイズ

GMは、セッション開始前にPCたちそれぞれに自己紹介をさせ(クラスや)、リーダーとなるギルドマスターを決めてもらうこと。誰も立候補しなければ、GMがPCの設定を見て指名するように。

……君たちは、先日○○という冒険者ギルドを結成したばかりの新米冒険者だ。
ギルドとしての最初の依頼を探すため、新米からベテランまで、多くの冒険者が集う酒場「竜の骸骨亭」へやってきた。

君たちが酒場の戸を開き中へ入ると、同時に香ばしいハーブと肉料理の匂いが漂い、楽しげな笑い声と乾杯の音が耳に入る。
どうやら、多くの冒険者たちが昼間から依頼達成の打ち上げを行っているようだ。
君たちは楽しそうな彼らを羨ましそうに見ながら、依頼掲示板の前へとたどり着く。
掲示板の依頼の中から新米でもできそうな仕事を探していると、その中の一つが君達の目に留まる。

内容は以下の物だ。

・グランフェルデンの街の外れにある共同墓地に、アンデッドが現れて困っている。
・過去に、強そうな冒険者を雇って追い払わせたが、何度追い払っても翌日には再び現れるので、その原因を突き止めてほしい。
・報酬は、原因が判明すれば200G。さらに解決すれば800Gを追加で払うとのことだ。これをメンバー全員で等分する形となる。


PCたちがこの依頼を受けるのであれば、酒場の店主であるガウルテリオ(R1/P319)に受諾した旨を伝えること。

・依頼を受諾した
「おう、その依頼を選んだか。なんでも、以前から墓地にアンデッドが出没して困っていたそうなんだ」
「それで、何度か優秀な冒険者を雇って退治に向かわせたんだが……倒しても倒しても現れるそうでよ。今回の依頼は根本的な原因を調査してくれって感じの内容だ」

・共同墓地の場所を訊いた
「共同墓地なぁ……悪ぃ、正確な場所がどこだったかは俺も詳しくは憶えてねえわ。……というか、依頼頼むんならそれぐらいは書いといて欲しいもんだぜ」
「まあ、お前らの中に知ってるヤツがいりゃあ問題ねえ。誰も知らねえんなら、聞き込みでもしたらどうだ?」

 

 ミドルフェイズ(リサーチシーン)

GMが促す必要があること
まず、PCたち全員に難易度10の知力判定[ヒストリー/カルチャー:エリンディル西方]が有効 を振らせる。
成功したPCは、その共同墓地の場所を知っていることにしてもよい。誰も場所を知らなかった場合、酒場で情報収集を行わせること。

・情報収集を行う
難易度10の感知で行う情報収集判定を全員に振らせること。
誰か1人でも成功したら、共同墓地の場所を知っている人に出会い、教えてもらうことができる。
さらに達成値が12以上だった場合、過去にその討伐依頼に参加した冒険者に出会える。彼に1G支払いお酒を奢ると、墓地に出現するアンデッドが「スケルトン」という動く骸骨のモンスターである事も知っており、それも教えてもらえる。「エネミー識別」に成功した扱いとしてよい。GMケルトン(R1/P340)のデータをPCたちに教えること。

「共同墓地?ああ、街から出て北東にあるところだね」
「スケルトンっていう動く骸骨のモンスターが出没しているようだね。苦戦はしないだろうけど、数が多いと手こずるかもしれないな」
「厄介な点としては、長剣、槍、短剣、弓の攻撃は、ちょっと当てづらいことかな。よほど命中に自信が無いなら、よーく狙いを定めるんだぞ」
PCが初心者なら、スケルトンに避けられたくない攻撃をする時は、フェイトを使って命中を高めるといい、等のヒントを出す事。

・知力判定および情報収集によって墓地の場所を知ることができたら

PCたちは「共同墓地」へ移動することが可能となる。移動を宣言したらシーンを切り替え、ダンジョンシーンに移行すること。

時間に余裕があるため、望むなら移動前に買い物を行っても良い。

・知力判定にも情報収集にも失敗した場合のペナルティ

君たちは不運にも墓地の場所がわからず、人に訊いてもうまくいかず、町中を自らの足で駆け巡って探す羽目になった。

徒労により、全員は5点のHP/MPロスを受ける。

……ようやく共同墓地を見つけたら、あたりは日が暮れて暗くなっている。
これ以降のシーンで周囲は暗闇として扱われ、明度のルールを採用する場合は、明度2とする。

 

ミドルフェイズ(ダンジョンシーン)

……アンデッドが出没すると報告のあった墓地に到着した。周囲にはじめじめした陰鬱な雰囲気が漂う。周囲には生物の気配は無く、無機質な墓石がいくつも並び立っている。
その中には掘り返された跡が見られ、かつてここに眠っていた死者がアンデッドとして復活させられたのではないかと嫌でも想像できる。

……出没したらしきアンデッドと、派遣された冒険者の戦いの跡を表す証拠もある。
大ぶりの攻撃が避けられた結果として破壊された墓石や、倒されたアンデッドの残骸と思われる、骨の欠片や折れた剣が散らばっている。

GMは、陰鬱とした雰囲気の墓の中を進むPCに、セッション進行に支障が無い範囲でロールプレイをさせること。
具体的には、幽霊が苦手なら怖がりながら入るとか、逆に事件解決の為に勇気を出して先陣を切って進むなど。

到着してしばらく進ませたら、PCたち全員に難易度10の危険感知判定を振らせる。
「全員成功」「1人でも成功」「全員失敗」で結果が変わる事を伝えること。

・1-1 全員成功した場合

ふと遠くを見ると、墓地の中を動き回る骸骨たちが(PC人数)体、徘徊しているのが見える。彼らは小剣で武装しており、辺りをきょろきょろ見渡して、何かを探すような動きを繰り返している。恐らく、墓地に入り込んだ侵入者を探す斥候の役割を与えられているのだろう。
……だが、こちらにはまだ気づいていないようだ。先手必勝で奇襲してもいいし、身を隠して戦闘を避けてもいい。

奇襲するなら[1-4 スケルトンを強襲する]を、身を隠すなら[1-7 スケルトンから身を隠す]の処理を行う。

・1-2 1人でも成功した場合

(最も達成値が高かったPC)が、遠くからカタカタと音を立てながら骸骨たちが近寄ってくるのを発見する。相手はキミたちに向けて剣を振り上げ、襲い掛かってくる。

[1-5 スケルトンを迎撃する]の処理を行う。

・1-3 全員が失敗した場合

君たちの背後から、強い殺気を感じる!
振り返ると時すでに遅し、骸骨たちが剣を振り上げて襲い掛かってきた!

[1-6 スケルトンから奇襲される]の処理を行う。

 

・1-4 スケルトンを強襲する

ケルトン(R1/P340)×PC人数 体との戦闘。戦闘開始時の距離は10mとする。
PCたち全員は奇襲攻撃を行う。ラウンド進行開始前に、好きな順番でメインプロセスを行うこと。

敵を全滅させたラウンドのクリンナッププロセス後、すぐにシーンを切り替えてクライマックスフェイズに移行する。

・1-5 スケルトンを迎撃する

ケルトン(R1/P340)×PC人数 体との戦闘。戦闘開始時の距離は10mとする。

敵を全滅させたラウンドのクリンナッププロセス後、すぐにシーンを切り替えてクライマックスフェイズに移行する。

・1-6 スケルトンから奇襲される

ケルトン(R1/P340)×PC人数 体との戦闘。全員同エンゲージとする。
エネミー全員は奇襲攻撃を行う。ラウンド進行開始前に、ランダムな対象に攻撃する。

敵を全滅させたラウンドのクリンナッププロセス後、すぐにシーンを切り替えてクライマックスフェイズに移行する。

 

・1-7 スケルトンから身を隠す

全員が難易度10の感知判定[ビジランテが有効]に成功すれば、見つからずにやり過ごすことができる。1人でも失敗した場合、見つかって戦闘になる。「スケルトンを迎撃する場合」と同じ処理を行うこと。

成功→骸骨たちは君たちの姿を完全に見失い、そのまま遠ざかって行った。彼らの発生源を探るため、調査を進めたまえ。

[1-8 調査を行う]の処理を行う。

失敗→(失敗したPC)は緊張のあまり、足音を立ててしまう。その音に気づいた骸骨が君たちの元に近づいてくる。どうやら、見つかってしまったようだ。戦いは避けられない。武器を取り、彼らを迎撃したまえ!

[1-5 スケルトンを迎撃する]の処理を行う。

 

・1-8 調査を行う

ケルトンたちをやり過ごして調査を行う場合、GMはPCたち全員に難易度11の感知判定[トラッキングが有効]を振らせること。
一人でも成功→君たちは発生源を調査するうち、墓地の中心に、スケルトンと比べて小さな人影と大きな人影を目撃する。彼らも同時に君たちの存在に気付いたようだ。

シーンを切り替え、クライマックスフェイズへ移行する。

全員が失敗→君たちは発生源の調査中、先ほど去って行った骸骨の斥候たちと鉢合わせしてしまった!骸骨は君たちに武器を振り上げ、問答無用で襲い掛かってきた!

[1-5 スケルトンを迎撃する]の処理を行う。

 

クライマックスフェイズ

君たちの前に、一匹の小悪魔と、護衛と思われる鎧の騎士が現れる。
だが鎧の騎士からは生気を感じず、周囲から怨霊が漏れ出している。
小悪魔は護衛がついているのか調子づいた態度で言葉を発し、君たちを挑発する。


PCたちが消耗している場合
「けけけけけっ、人間ども。ボクのしもべと戦っていい感じに消耗してくれたなぁ」
「これまで現れた冒険者はみんな強そうだったが……オマエら弱そうだな。ちょうどいいぜ。ここで止めを刺してやる。やれ!ボクのしもべよ!」

PCたちが消耗していない場合
「くそっ、人間ども。どうにかボクのしもべをやりすごしやがったな」
「……まあいいか。オマエらは今までここに来た冒険者の中で、一番弱そうだ。ちょうどいい。ボクが直々に相手をしてやるよ」

どちらのパターンであれ、小悪魔はそう言って指を鳴らすと、地面から数体のスケルトンを呼び出して嗾ける。ヤツが骸骨たちを操っている事は間違いない。

事件の黒幕である彼を逃がさずに仕留めるためには、移動そのものを止める……それができないのであれば、可能な限り近づいて戦い、全力で逃げようとしても追いつけるようにする必要がありそうだ。
また、足止めする雑兵を振り切る、あるいは始末しておくことも必要だろう。

このヒントは必ずGMが提示する事。



エネミーの配置

インプ(R1/P343)×1、リビングアーマー(R2/P266)×1、ケルトン(R1/P340)×2
を、以下の図のように配置する事。
それに加え、インプには《司令塔(R1/P333)》SL2を追加して強化する。
・PC人数が4人の場合、スケルトンを1体追加して合計3体にする。
・PC人数が5人の場合、スケルトン1体を追加して合計3体に、さらにリビングアーマーをもう1体インプのエンゲージに追加すること。

※基本ルールブック1のみで遊んでいる場合、リビングアーマーをブロンズゴーレム(R1/P344)に変更すること。その際、登場時の演出も「鎧の隙間から怨霊が漏れ出している騎士」から、「青銅の身体を持つゴーレム」、と変更する。

戦場が屋外であるため、マップは下の図のものよりも広く設定する

 

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エネミー配置図(1マス5m四方)

 

 

 

 

エネミーの戦略

インプはリビングアーマーが倒されるまで移動せず、最も現在HPの低い射程内のキャラクターに《魔術攻撃:火》を使用して攻撃する。リビングアーマーが倒されている場合、途端に威勢を失って逃走を試みる。
PCの中に移動力が9m以上いるキャラクターが存在しない場合、ムーブアクションで全力移動を行えれば、自動的に逃走成功となる。射程や移動力が足りず、PCたちがインプに追いついて攻撃ができない場合、自動的に逃走成功となる。
◆難易度を下げる場合、《司令塔》2を追加しない、またはスキルレベルを1にすること。
◆難易度をさらに下げる場合、インプが劣勢になっても逃走せず、死ぬまで戦うようにすること。

リビングアーマーはインプと同エンゲージにいるように気を配り、インプが攻撃されたら《カバーリング》を使用して護衛する。PCにエンゲージされている場合、複数いればランダムなPCに武器攻撃を行う。そうでない場合、射程内のランダムなPCに《遠隔攻撃》を使用して武器攻撃を行う。《スマッシュ》1は使用しない。エネミー識別などによって敵のスキルが開示された場合、削除している旨を伝えること。
◆難易度を上げる場合、所持スキルから《スマッシュ》を削らず、可能な限り使用させる。

リビングアーマーをブロンズゴーレムに変更している場合、最初のラウンドはランダムなPCに《ブロンズビーム》で攻撃する。その後はエンゲージしているランダムなPCに武器攻撃する。誰ともエンゲージしていない場合、最も近いPCにエンゲージしようと移動する。

ケルトンはエンゲージしているランダムなPCに武器攻撃を行う。誰にもエンゲージされていない場合、最も近いPCにエンゲージしようと移動する。

インプが戦闘不能/死亡 した場合、操る者がいなくなったため、リビングアーマー(ブロンズゴーレム)、スケルトン共に動きを止め戦闘終了となる。

 

エンディングフェイズ

「よお、お帰り。依頼はどうだったか?無事達成できたか?」
(PCたちから報告を訊く)「……小さい羽の生えたヤツが、ねえ。恐らく下位魔族のインプだな、そいつぁ」
逃げられてしまった場合
「……時にはそんなこともあるさ。連中、逃げ足だけは速いからな」
「まあ、正体が解れば十分だ。他の冒険者が代わりに倒してくれると思うぜ。今はゆっくり体を休めるといい。ほい、原因報告のぶんの200Gだ。受け取れ」

撃破した場合

「やるじゃねえか!お手柄だ。ほらよ、約束の報酬1000Gだ、受け取りな!」

ガウルテリオから報酬を貰えば、シナリオ終了。


リザルト

ミッションに成功した

インプを撃破した……+5点
インプに逃げられた……+2点
途中で全滅した……0点

遭遇したエネミーレベルの合計/人数
3人……(6+12)/3=+6点 4人……(8+16)/4=+6点 5人……(10+17)/5=+5点

遭遇したトラップレベルの合計/人数
0点